【ARK HOUSE モデルハウス】15坪弱の狭小地にRC造3階建の挑戦

〈「ぬけ」のある建築と都市における生活の提案 〉

建築において「ぬけ」のある空間を持つということはとても贅沢な事であると思う。

例えば、どこまでも視線の伸びる窓、どこまでも高い天井、どこまでも広い床。空港や駅舎など広い空間や、体育館、そして倉庫などを改装して出来上がったカフェなども同じく「ぬけ」を感じる建物のひとつ。

つまりその用途に使う建築としては、そこまでの空間は必要ないかもしれないけれど、その「ぬけ」があるお陰で、とても気持ち良いと感じる感覚。それが建築空間における「ぬけ」である。

わずか15坪という敷地の立地環境。いわゆる都市に建つ狭小住宅である。しかしながら狭い敷地の中で、３F建て＋ロフトスペース＋屋上空間といった縦方向にゆとりを持たせた、床面積の数字以上に広がりを感じる設計とした。

そして階段まわりに設けられた3層吹き抜けの空間は高さ約10ｍもの「ぬけ」を生み出している。また各階に配置されたどこまでも視線が伸びる大きなFIXガラス窓もまた「ぬけ」を狙った設計上の配慮である。また各階ごとに仕上げコンセプトを変化させ、仕上げ材の変化や家具や照明といった素材からもデザインのある生活の上質さを目指し、決して実質的な広さだけでは得られない都市に住む豊かさを実現したいと考えた。


名称/ARK HOUSE　M・D
所在地/東京都新宿区
主要用途/商業施設
構造/鉄筋コンクリート造
規模/地上3階建
竣工/平成27年5月
敷地面積/49.05㎡
各階面積/1F：26.73㎡ 2F：25.63㎡ 3F：25.83㎡
延床面積/78.19㎡
外装/打放コンクリート仕上