「普遍性と変化を飲み込む建築」
建築の使われ方は、住む人の自由だと私たちは考える。
むしろ住みこなしてほしいし、当初の設計用途さえも時間の経過から変化していっても構わないとすら考える。この建築はまさにそんな発想をもった建築となった。
当初、集合住宅か専用住宅かの2種類の用途として設計が進んでおり、そのプランを公開していた。結果、オーナー様のご要望により、1Fが賃貸住宅、2Fがオフィス、3Fが住宅という計画に落ち着いた。しかしながら建物の平面計画や外観ファサードなどはほとんど当初の計画のまま。つまりこのことは、多少の用途の変化でも計画がほとんど変わらず、オーナー様のご要望を飲み込んだ事を意味する。そして、この建築は長年に渡ってあらゆる使われ方をされることを許容する豊かさを持って長年に渡ってそこの場所に残るだろうと実感した。
だからこそ外観のデザインも内部空間も強く「普遍性」を意識しなければならないと考えた。長年に渡ってこの場所に建つ、そして様々な人に様々な使われ方をされる建築として残って欲しいと願う。
1F部分は自分のコート(専用庭)を持つ賃貸住宅。道路からはプライバシーを確保するための壁が建ち完全に外からの視線を防ぎ住環境を確保している。
2F部分はオフィススペース。シンプルでありながら大型なバルコニーを有し快適さを確保。
そして3F部分は専用住宅。大きなシンプルなワンルーム空間は広々として心地よい。そしてもう一つの贅沢な空間である屋上スペースへは室内からの動線を確保。一瞬の非日常感からリラックスした時間を体感して欲しい。
名称/T邸新築工事
所在地/東京都新宿区
主要用途/併用住宅
構造/鉄筋コンクリート造
規模/地上3階建
竣工/平成27年4月
敷地面積/78.42㎡
各階面積/1F:45.14㎡ 2F:38.28㎡ 3F:40.81㎡
延床面積/129.99㎡
外装/打放コンクリート仕上